大学を卒業後、グループ会社で5年間営業として働いていました。決して今ができているということではないのですが、当時は今よりも人間的にできておらず生意気で反発することも多い、いわゆる扱いにくい社員だったろうと思います。事業部長とは考え方も違い次第に折り合いが悪くなりました。会社を辞めることばかり考えて腐っていました。そんな時に、グループ内で面識のあった山田社長に「とりあえずうちにこいよ、1年やってみてどうするか決めたらえぇやないか」と声をかけていただきダイキチレントオールで仕事をすることになりました。
入社当初、山田社長からはとにかく数字を上げることを考えたらいいと言っていただきました。周りからは左遷だとか上司に見放されただとか言われましたが、「今に見とれよ、ここで一番とって見返したる!」と心に秘め数字を上げることを一番に考え必死に働きました。
結果が出るにつれ仕事が楽しくなり、またイベントという非日常の空間作りがたまらなく楽しくなり、しんどいこともたくさんありましたが、これはもう自分の天職だと思うようになりました。お客様のためにする労力は全く苦にならず、できる限りの手を尽くしてとことんご要望にお応えしました。いつしかお客様がお客様をつれてきていただけるようになり、ゼロからスタートした売上は4年目には既存の社員を抜き1番の数字になっていました。このころになると「今、自分がしなくてはならないこと」「会社から求められていること」がなんとなくわかるようになってきました。数字だけでなく自分がこの会社を引っ張っていかなければと考えるようになりました。これは自分のお役目なんだ。しかし漠然と理解はしていましたが、どうすればいいのかという具体的なところはあまりわかっていなかったように思います。
5年勤めたグループ会社では、自分があまりにも未熟で若かったということもあり、「働く」とはどういうことか?ということをあまり理解していませんでした。ダイキチレントオールにやってきて感じたのは、「なんて素直な良い人ばっかりなんだろう!なんでこんなに真面目に一生懸命働くんだろう?」という衝撃でした。このような「善」の漂う空気の中で一生懸命働けたからこそ、未熟で若くて青かった自分が、以前より少しだけ人間的にマシにしていただいたんだと思います。この会社に来て働くことを通じて、人として成長し人格を高めていく、そんな働く意義を学びました。こんなに良い人が集まる会社って…これはひとえに山田社長の人徳のなせるところなんだろうなと思ってます。
そんな山田社長の人徳であったり、社員のみんなのやさしさに触れることで、私自身を浄化していただき少しマシにしていただきました。まだまだマシにならんとあかんのですが、同時に今度は私が「世のため人のために働く」「みんなの幸せのために、この会社をより良くする」ことで特にこれから会社を背負って立つ若い人たちにこのご恩を送っていきたいと考えてます。
私が考えるダイキチレントオールが抱えている課題のひとつは、『過去』をみることは比較的やるのですが『未来』を見据えることが得意ではないことです。関わる人の幸せを追求しようと考えると、それぞれに夢や目標、やりたいことなんかがあるはずなんです。これはすべて「未来」のことなんです。=現状維持ではなし得ないということです。いかに『未来』を創るか?一定の方向性を示しつつ、同じ方向を見てみんなで『未来』をつくっていくことが必要なことだと考えています。
ダイキチレントオールは創業以来、お客様のご要望にお応えするべく年中無休(正月以外は)で営業をしてきました。(人はシフト制で休みを取るようにしています。)これは当たり前で変えようのないことだと思ってきました。しかしずっと引っかかっていたことに、社員間での情報共有がしにくいということがありました。それは一堂に会することができないから・・・そんな中2年前からある取り組みをはじめました。これは当初は過去を見るためのものでした。もちろんこのことも大事なことです。過去の失敗、問題点を洗い出し、それをどう改善をするのかということを考えるのは重要なことです。この時は全員が問題点を考え、テーブルの上に出すことからはじめました。「全員で」としたことでエネルギーが生まれこの取り組みが発展したのだと思います。後に「未来維新会議」という名前で、1ヶ月のうち1日を休業し、全員が参加し、全員が意見を出し、全員で決める、そんな枠組みになりました。これは社員全員で作ったもので、我々の固定概念を少し壊した瞬間でもありました。
施策を考えて実践して、考えて実践して…の繰り返しで、まだまだこれからではありますが、未来維新会議を通して社員みんなでこの会社をより良くするために未来のことを少しづつ創っています。
改善を目的としてスタートした会議でしたが、社員一人一人が『会社ごと』を『自分ごと』のように考える、主体性を育むためと目的が高次化しています。このことが社員一人一人の成長に繋がっていくことを信じて疑いません。
40年も続いたこの『総合物品のレンタル』ですが、これからの時代、どのように変化していくか想像もつきません。我々の扱うレンタル商品は「人」と「人」をつなげることができます。「人」と「モノ」をつなげることだってできるでしょう。ひょっとしたら「モノ」と「モノ」をつなげることもできるかもしれません。「人」と「環境」なんかも…そう考えるとこのレンタル業にはまだまだ大きな可能性があります。こんなことを限られた人だけが考えるよりも、社員みんなで考える方がアイディアも出るし何より主体性が育まれ楽しいはず! そんな未来に希望のもてる会社にするためにその環境を創る。そしてそこに集う主体者創りこそが、私のお役目、使命だと考えています。